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腹腔鏡(ラパロスコープ)とは、おなかの外から1cm前後の穴をあけて、腹腔内を観察できる内視鏡検査のことです 。超音波と違って腹腔内の卵管、卵巣、癒着などを直接観察することで、さまざまな事がわかります。
卵管性不妊や機能性不妊(原因不明)の場合に、腹腔鏡はとても有効な検査です。臍部(おへその下あたり)から直径0、5~1cmの内視鏡を腹腔内に挿入して、直接に骨盤腔を調べます。
これによって子宮内膜症、卵管形態、子宮異常、癒着などがわかり、同時にこれらの骨盤腔の病変に対して腹腔下手術が行えます。
腹腔鏡検査と同時に子宮頚管に色素を流し込む検査を、卵管通色素法といいます。これによって色素が腹腔内へ流れ込み、卵管の通りを調べられます。
実際に1通りの不妊検査で「異常ない」と診断され、その後に妊娠できない機能性不妊(原因不明不妊)の場合は、腹腔鏡検査をすると原因が見つかる場合が数多くあります。
子宮内膜症は超音波では判断できないことも多く、腹腔鏡検査でわかることが多い、1番の不妊の原因です。
子宮卵管造影の結果が良好であっても、約2~3割は卵管の異常が見落とされるという報告もあります。
腹腔鏡で骨盤腔を観察しながら、左右の下腹部から鉗子や電気メスで手術をします。この腹腔鏡手術は、簡単な癒着の剥離や卵巣嚢腫の摘出、子宮内膜症の焼灼、多嚢胞性卵巣症候群の卵巣表皮切除などが期待できます。
また原因不明不妊の場合でも、この手術の後には癒着などが剥がされ、妊娠する確率があがることが報告されています。
*妊娠したい掲示板に書き残してくれた「まこさん」の体験です
私は、3月末に腹腔鏡手術の体験をしました。腹腔鏡手術は、おへその下に5㎜切開してガスを送り、小さなカメラを入れます。さらに左右の脇腹に小さな穴を開けて細長い器具を挿入して子宮や卵巣の様子を見ることができます。
25歳で結婚して5年になりますが、当初から婦人科に通院して定期的に検査していました。20歳をすぎた頃から4年に1度位(オリンピックのように)左卵巣が10数センチはれ上がり、耐え難い痛みを感じて総合病院でMRIをとったりしましたが、診断は「血の塊なので、様子を見てください」とのことでした。
29歳で不妊専門の病院に転院し、そこで子宮内膜症(チョコレート嚢腫=卵巣に血の塊ができる)・子宮内ポリープと診断されました。卵巣に出来る内膜症は排卵の邪魔をし、ポリープは受精卵が着床しにくくなるときき、思い切って手術を決意しました。
・術前検査→肺活量の測定・MRI・血液検査・子宮鏡(これが今までで一番つらかったです)などを受けました。
・入院期間は1週間、病院によってはもっと短期間のところもあるようです。
・手術前日→重湯のみで座薬を服用し、胃・腸の中の食べ物をすべて出します。
・手術当日→朝から絶食で飲み物も禁止です。当日は浣腸をしました。前日から、トイレに行きっぱなしでおしりが痛くなりました。
その後、ドラマのようにストレッチャーに乗せられて手術室へ行き、筋肉注射をしている間に、意識がもうろうとして全身麻酔をされてことは、まったく覚えていません。
手術は2時間ほどで終わりました。その日は、絶食で寝たきり。腕には点滴と背中に痛み止めの管をさし、尿道に管をされてました。ベッドから起き上がるときに、頭がくらくらして吐き気を催し、それが安定して食欲がでるまで2日ほどかかりました。
・痛み→喉に呼吸を助ける管を通されて、喉が痛かったです。熱もでました。下腹部はもちろん、穴を開けて切ったり焼いたりしてるので、痛みましたが…回復は早かったです。
・傷→切った後は、1㎝ほどでだんだん薄くなってます。
・費用→検査費用 約5,000円/1回 入院・手術 150,000円(生命保険で後日、戻ってきました)
手術の様子をDVDで見せてもらいながら、説明を受けました。卵巣に血の塊があり、おなかにびっちり癒着していたものをはがして、きれいに洗浄してもらいました。自分の子宮や卵巣を見る機会ってないですよね(笑)
手術を受ける前は、全身麻酔だし、同意書には最悪の場合のことが書いてあるし…不安もいっぱいありました。技術を要する手術なので、症例数が多く実績のある病院を選びました。(そのため、3ヶ月待ちでしたが)
その後、不妊治療もすぐに開始し、1度目の人工授精で運よく妊娠できました。今後、手術を検討されている方への参考になればと思い、長くなってしまいましたが…私のように、原因がわかっている場合、原因不明の場合でもこの手術をすることで妊娠率がぐんとアップするようです!
私は、思い切って受けてよかったなぁと、思っています。