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黄体化未破裂卵胞(LUF)

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基礎体温で体温が上昇しているにも関わらず、実際は卵胞が破裂していない状態を黄体化未破裂卵胞(LUF)といいます。卵胞は黄体化(プロゲステロンが上昇)しているのに、排卵が起こっていないので妊娠することはありません。

Luteinized Unruptured Follicle:LUF
黄体化非破裂卵胞、黄体化無排卵卵胞症候群(LUFS)ともいう。

LUFは、「PCOS」「子宮内膜症」「骨盤内感染者」「骨盤内手術経験者」などの人に多く見られますが、その他にも原因不明不妊(機能性不妊)の一因と考えられ、その発症頻度は不妊患者の13~18%程度になります。

LUFは基礎体温では2相性(低温~高温)を示すため、またホルモン分泌も異常が認められないことが多く、「正常に排卵した」と思っていた周期でも出現していることがあります。

他にも黄体機能不全の原因を知る上でもLUFの診断が重要になります。

LUFの診断は、排卵前から排卵後にかけて慎重に超音波診断を行なうことで確認していきます。

*腹腔鏡検査ではstigma(破裂孔:卵胞の破裂部位)の有無で、LUFを確定できます。

LUFでは基礎体温の上昇を認めた後でも、卵胞が消滅しないで存在し続けることが特徴です。一般的には卵胞はその後も成長(増大)を続けて、中には40~50ミリの大きさになることもあります。そして黄体期中期ころには、卵胞内部に「高エコー像」が認められるようになります。

LUFは不妊ではない人でも、5~10%の頻度で散発的に起きるようです。(正常月経周期を有する人の4.5~56%との報告がある)

LUFは未だ不明な点が多く、文献やあるいはインターネット上でも情報が少なく、今後の研究に課題を残していると言えるでしょう。

黄体化未破裂卵胞(LUF)の症状

基礎体温で体温が上昇。
排卵は行われません。
黄体期に卵胞が存在します。
黄体中期に、卵胞内部に「高エコー像」が確認。

黄体化未破裂卵胞(LUF)の原因

黄体機能不全

LUFは黄体機能不全と大きく関わっていると考えられています。下垂体から分泌される「LH」や「FSH」に何かしらの異常が起こり、結果として不十分な「LHサージ」は黄体機能不全やLUFを引き起こす原因とされています。

プロスタグランジン

痛みや炎症を抑えたり、リウマチの薬である、「インドメタシン」や「非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)」の投与を続けていると、LUFを引き起こしやすいことが報告されています。

これらの原因は排卵の関わる「プロスタグランジン」の生産を、「インドメタシン」や「非ステロイド性消炎鎮痛剤」が抑制して、LUFを誘発すると考えられています。

黄体化未破裂卵胞(LUF)の治療

LUFが確認された場合は、肥大された黄体卵胞が消滅するのを待つことが多いようです。LUFは誰でも起こりえるで、多くの場合はそのまま何周期かは経過を診ていくことになります。

しかしLUFの反復性が確認されたときには、腹腔鏡検査で骨盤内感染症や癒着などの原因究明をすることもあります。また排卵誘発剤が無効の場合は体外受精を勧められることもあります。

Empty follicle

LUFと似たような卵胞異常に、「Empty follicle」があります。これは卵胞はしっかりと成熟しているのに、その中に卵が存在しない状態です。Empty follicleの原因は不明で、卵の過熱や変性、吸収などが考えられています。また卵は存在するものの、排卵が起こらない病態を「Ovum retention」と呼びます。

関連不妊用語

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