←こんな基礎体温表を簡単作成。自分の基礎体温と妊娠した人たちとのシンクロ検索が可能
日本産科婦人科学会の生殖内分泌委員会の報告によると、PCOS患者の肥満頻度は20%となっています。そして違う報告では、肥満婦人の48%に無月経がある、あるいは44.8%に無月経や稀発月経などの月経異常が出現するとあります。
PCOSが肥満を起こしやすい原因は、男性ホルモンの高値がアナボリックな効果を発揮して脂肪を蓄積させてしまうこと、あるいはインスリン抵抗性が脂質代謝の異常を引き起こすことなどが考えられます。
不妊と肥満の関係は難しくなっています。太っていることが必ずしも不妊に結びついているのではなく、肥満が月経異常を引き起こすことが多く、そのような場合には不妊原因となります。
PCOSでは「月経異常」が最大の問題であり、よって「肥満そのものに対する治療がPCOSの治療に結びつく」と考えられているのです。
実際の肥満の治療法をして勧められるのは、もちろんダイエットになります。急激なダイエットは危険な可能性がありますので、医師と相談してダイエットプランを決めると安心でしょう。
またそれらの治療法と併用して、薬物療法や漢方療法が行なわれる場合もありますので、以下に簡単に記載しておきます。
肥満治療の基本中の基本、第1治療です。1日の摂取カロリーより消費カロリーが多くなれば体重は今よりも減少していきます。肥満度によって治療メニューは違いますが、基本的には食事の回数を減らさないことは大切になります。
バランスよく食べる(炭水化物も)ことが効率がよく、偏食すると逆効果につながることがあります。中等度以上の肥満に対しては、入院して厳重にカロリー制限をしていくことがあります。
食事療法の意識としては「食べれないのではなく、必要以上に食べてはいけない」ということです。間食はやめて1回の食事をしっかりと取ります。そうすることでカラダが毎日の食事に慣れてくるはずです。
「今日はたくさん運動したから」とか「さっき間食しちゃったから」などと自分でカロリー量をコントロールすようとすると、食事療法は大抵失敗に終わります。朝昼晩に食べる食事のカロリー量は、毎日同じが望ましいのです。
食事療法と同じく基本の治療法となります。動的運動(有酸素運動)と静的運動(無酸素運動)、そして軽いストレッチなどの体操を毎日取り入れるだけで劇的な効果があります。
有酸素運動の代表はウォーキングです、1日1万歩を目指して毎日繰り返し歩いてみてください。ウォーキングは運動面だけではなく、きっとあなたの気持ちを軽快にしてくれます。
静的運動では、腕立て伏せや腹筋、スクワットなどを決まった時間にやってみてください。回数をたくさんやる必要はありません。1日のうちに何度もチョコチョコやることで効果が現れます。
運動療法としての意識は「何があっても毎日継続していく」、これにつきます。楽しい日も悲しい日も、自分で決めた運動メニューを日課として続けることが大切になります。
食事療法や運動療法を行なっても効果が現れない場合に加えて、高度肥満症の場合には薬物療法が行なわれるケースもあります。薬は直接にカラダに働きかけて「体重を落とす」というものではなく、食欲を抑制してしまい「食べなくても平気」な状態にしてしまうものです。
最近使われているものは「マジンドール(サノレックス)」という薬で、ふらつき、めまい、頭痛、口渇感、便秘、性欲減退などの副作用が現れることもありますが、依存性もほとんどなく比較的安全な薬といわれています。
ただ安易なダイエット発想などの乱用を防ぐために、その適応は食事療法や運動療法でも効果が不十分な肥満度70%以上、BMI35以上の高度肥満症としており、その投与期間も3ヶ月を限度とするとあります。
古くから漢方薬も肥満治療に使われてきています。総コレステロール値、中性脂肪、LDL-コレステロールの減少、あるいは皮下脂肪厚の低下などが見られることがあります。
肥満に対しての外科的治療はほとんど行なわれていませんが、肥満度が100%以上の超高度肥満症例では、胃縮小手術(胃バイパス術、胃形成術)、空回腸バイパス術、脂肪組織切除術などが行なわれることもあるようです。
不妊治療において「ダイエットは自分で出来る1番安価な治療法」との意見や考え方があります。確かに安価かもしれませんが、しかしダイエットが簡単に成功しないことは女性なら誰しもご存知でしょう。
赤ちゃんを授かるまでの確率の低さを知り、今の自分と向き合いPCOSを受け入れることだって並大抵なことではありません。その上でダイエットを成功させることは、自分の中でよっぽど開き直らないと難しいことでしょう。
決して安易なダイエット法などありません。不妊治療においても、一番難しい治療法はダイエットなのです。無理をせず周りの言葉に流されずに、自分のペースを守って肥満治療を受けているという意識を持ってください。
多嚢胞性卵巣症候群 排卵 無排卵症月経 排卵障害 子宮内膜癌 エストロゲン 子宮内膜 カウフマン療法 ゲスターゲン療法 デュファストン ルトラール 黄体期 卵胞期