自律神経とは、自分の意思とは関係なく働いている神経のことです。妊娠中には自律神経が上手く働かないことがあり、これを自律神経失調症と呼んでいます。自律神経失調症になると、からだのあちこちで不快な症状が出始めますが、特別な原因が見つからずに治療が行えない場合があります。
私たちの生活は緊張や刺激を与えることで活動を支える「交感神経」と、からだを休ませようとリラックスを促す「副交感神経」の2つの自律神経から成り立っています。この2つの自律神経は互いにバランスを取り合うことで、人間の意思とは関係なく体調や精神を正常に機能させています。
しかしこの2つの自律神経のバランスが崩れてしまうことを自律神経失調症といい、肉体的にも精神的にもさまざまな症状が出ることがあります。自律神経失調症の症状はめまいや耳鳴り、動悸、息切れ、肩こり、腰痛、便秘などありとあらゆる症状が当てはまります。また食欲不振や不安感、イライラや落ち込みなどマタニティブルーと呼ばれる精神面のトラブルを引き起こすこともあります。
自律神経失調症の原因は生活リズムの乱れや強いストレス、不安感などがありますが、妊娠したことによりホルモンバランスが崩れることも要因です。それに加えて将来への不安や妊婦ということで規制されるさまざまなことから、自律神経が正常に機能しない場合があるのです。
自律神経失調症の治療は規則正しい生活を取り入れることです。バランスの良い食事、適度な運動(ウォーキングなど)、十分な睡眠を心掛け、刺激のあるものを避けて常にリラックスすることを考えてください。
妊娠中はホルモンバランスの崩れから自律神経失調症になることがありますが、その症状は長くは続きません。多くの妊婦さんは出産後の生活が落ち着いてくるころには軽快に向かうでしょう。