立会い出産とは、妻の分娩時に夫が立ち会うことをいいます。妻の分娩に夫も一緒になって立会い、痛みを和らげるために飲み物を持ってきたり、腰をさすってやった、汗を拭いてやったりして分娩を夫がサポートする出産方法です。
立会い出産の何よりのメリットは妻の精神的な安定です。お産を無事に終えるためには精神的にも肉体的にもたいへんな負担がかかります。とくに初産で初めてのお産となると緊張感も加わりパニックを起こす妊婦さんもいるくらいです。
でもそんなときに最愛の夫がそばにいてくれれば、妻の不安や心細さは解消され「頑張ろう」という気持ちが生まれてきます。立会い出産を終えた多くの夫は「自分は何もしてやれなかった」と感じるようですが、けっしてそんなことはありません。立会い出産で大切なことは妻の精神的な支えなのです。
立会い出産は夫婦の絆を強めるきっかけにもなるでしょう。夫が新しい家族の誕生に立ち合うことで新しい生活がスタートするのを実感できるはずです。また出産の感動を分かち合うことで父親としての自覚を芽生えさせ、2人で力を合わせてお産を乗り切ったことが今後の育児の自信にもつながるでしょう。
立会い出産に立会う人は通常、自分の夫ですが、産婦さんが信頼できる自分の母親や家族など誰でもかまいません。最近では自分の子ども(産まれてくる赤ちゃんのお兄さん、お姉さん)に命の誕生を見せてあげたいという産婦さんも増えているようです。
立会い出産をする夫婦は年々増えています。e-妊娠の出産アンケートでは現在、約80%の人が立会い出産をしたと答えています。病院によっては立会い出産を認めていないところもありますが、それも徐々に改善される傾向にあるようです。
立会い出産は日本にラマーズ法が取り入れられてから人気が出た出産方法です。ラマーズ法の「出産に対する過度のな緊張や恐怖心をなくす」という考え方に、「夫の立会いが妻の精神的な支えになる」ということがぴったりとマッチしたのです。