短促呼吸とは、娩出時に行なう「ハッハッハッハッ」というような短く浅い呼吸法です。息を浅く短く吸って荒く聞こえるくらいに呼吸します。短促呼吸のコツは息を深く吸いすぎないように注意して、リラックスして全身に力が入らないようにすることです。呼吸法としては荒く聞こえますが、からだを緊張させないようにいきみを逃すことに集中します。
分娩第2期の発露の(赤ちゃんの頭が出てくる)状態になると、大抵の場合は強くいきむのをストップして短促呼吸を行なうように指導されます。これは強くいきむことによって赤ちゃんが一気に出てしまい会陰が裂傷してしまうのを防ぐため、あるいは力が入ることよって産道が狭まったり固くなったりするのを防ぐためです。
発露になれば赤ちゃんが産まれてくるのは、もう時間の問題です。そのため自然な収縮で赤ちゃんが産まれるまで待つことが多く、息を深くまで吸い込まない短促呼吸がぴったりなのです。
ただ短促呼吸より本能的な呼吸法を大切に考える出産法もあります。たとえばアクティブバースといわれる出産法は、本能のままに声を出したり呼吸をすればいいという考え方です。