「ママへのちょっと早めのラブレター」は、TBSドラマ「うまれる。」の第5話で、泣きながら読んだ絵本です。当初はドラマの撮影用に作られたものでしたが、反響が大きく話題を呼び、絵本として出版されました。
「ママへのちょっと早めのラブレター」はタイトルの通り、産まれる前の赤ちゃんがちょっと早いけどママへ贈るメッセージです。自分が産まれても産まれなくても、ママを愛する気持ちは変わらないという赤ちゃんの気持ちが綴られています。
ちなみに著者はドラマの脚本を手掛けた鈴木おさむさんですが、ドラマの設定上、著者は51歳で妊婦になった女性を支える産婦人科医の「近藤卓巳」になっています。
「ママへのちょっと早めのラブレター」は、赤ちゃんがママにあてたラブレターです。赤ちゃんが、ママをどうして愛しているのか、自分はどう思っているのかをパパ顔負けの愛情表現で綴っています。
「ママへのちょっと早めのラブレター」の特徴は、ラブレターを贈る側の赤ちゃんが、幸せにしてもらえることを待っているだけの赤ちゃんでは無いところです。赤ちゃん自身が、自分とママの幸せを考えているのです。
ママが産まれてくる赤ちゃんの為にいろんなことを考えたり話しかける絵本はありますが、赤ちゃんが、自分を産もうとしてくれているママの為にいろんなことを考えているのを描いた絵本は少ないかもしれません。
妊娠・出産を控えて母親としての自分に恐怖心を抱く時に「ママへのちょっと早めのラブレター」を読むと、同じように赤ちゃんも頑張っているんだと勇気をもてます。
妊娠したばかりで、これからの妊婦生活が不安な時も、こんなにも赤ちゃんがママのことを一身に思ってくれているとわかれば、不安になることもありません。
「ママへのちょっと早めのラブレター」で、産まれることができなかった場合のことを語る赤ちゃんの文章には胸が熱くなります。
残念ながら赤ちゃんが産まれることができなかった時、自身の体を責めるママがほとんどです。でも、「ママへのちょっと早めのラブレター」の赤ちゃんは違います。産まれることができなかったのは、赤ちゃん自身がママを幸せにする自信がなかったからだと説明しています。
赤ちゃんが産まれることで、パパとママが「赤ちゃんを幸せにしてあげたい」と願うように、赤ちゃんも「パパとママを幸せにしたくて産まれてくる」というのです。
ラブレターのなかでは、産まれることができなかったら再びママを幸せにできるようになったら、ママのところに行くと綴られています。どこまでも、ママへの愛情たっぷりの赤ちゃんを思うと妊娠中のお腹が愛おしく感じるのではないでしょうか。
妊娠や出産に対して色々考えているのはママだけではなく、赤ちゃんも同じなんだと伝わる1冊です。妊娠中に自分だけがお腹が大きくなったり、つわりがあって辛いと孤独を感じているママにお勧めです。
「ママへのちょっと早めのラブレター」を読むと、赤ちゃんもママのことを思って頑張って生きているんだと思えるようになります。そして、「産まれることは自分の為だけではなく、大好きなママの為でもある」と赤ちゃんが考えているなら、出産への小さな不安や恐怖も吹き飛んでしまいそうです。
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