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出産までに気になること

うつ伏せで寝る赤ちゃん

妊娠週&出産カウントダウンの設定

胎児心拍(FHB)が確認されれば赤ちゃんが元気に育っている証拠で、今後のトラブルの可能性はグッと減ります。しかしそれでもこの時期にはまだまだ「無事に出産できるか?」という心配事はつきないことでしょう。

この悩みは妊娠中期の安定期になると、自然と少なくなってきます。実際に胎盤の完成とともに安定期に入ること、または妊娠生活にも慣れ自分に対しても少しずつ「出産」への自信が湧いてくるからです。

では今後の出産までのトラブルはどのようなものがあるのでしょうか?
神経質になる必要はありませんが、1通りの知識をつけることで、今後の妊娠生活で予防できるものもあります。

後期流産

妊娠12週以降22週未満に胎児が母体から排出されてしまうことです。妊娠22週以降37週未満は胎児が子宮外でも生存(ハイテク機器の助けを得て)できる可能性があることから「早産」と分類されます。

妊娠12週以前の初期流産の原因のほとんどは、染色体異常などの避けられないものです。しかし後期流産の原因は母体と関わるものがいくつかあり、次の症状に当てはまる人は慎重に経過を見ていくことになります。

後期流産の予防

流産しそうな原因がはっきりしていれば治療を受けるケースもあります。例えば子宮頸管無力症が原因なら、「子宮頸管縫縮術」という頸管を糸で縛る手術をして防ぐことが出来ます。

高血圧や糖尿病などの慢性疾患がある人は、自己管理を他の人よりしっかりしなければいけません。また子宮奇形や子宮筋腫がある場合は、場合によっては外科手術で治療をしていきます。

早産

妊娠22週から37週未満の分娩を早産といいます。(37週以降は正期産)
日本での早産率は全体の約5%といわれていて、その原因は年齢、喫煙、体重、子宮因子、感染症、多胎妊娠などと多岐にわたります。

早産の予防

どうしても予防できない早産もありますが、多くはそのリスクを減らせます。まず妊娠後期に入ったら今までよりも無理をしてはいけません。また質の高い妊婦ケアを受けることが大切です。

過労やストレスに特に注意して、食生活にも気を使います。医師からもらったアドバイスを慎んで守り、自分と赤ちゃんの身体を労わってあげることが何より大切です。

感染症を防ぐため外陰部をいつも清潔にして、夫婦生活は控えた方が安心です。(プロスタグランジンには子宮収縮作用がある)

もちろんタバコやアルコールは一切控えます。また尿を我慢していると膀胱が炎症を起こし、子宮収縮を誘発することがあります。早産のきっかけは「炎症」であることが多いのです。

妊娠高血圧症候群

妊娠中に高血圧、尿淡白などの症状が見られる疾患で、以前は妊娠中毒症と呼ばれていました。妊娠高血圧症候群の発症率は全体の5~10%で、重症になると母体に危険を及ぼすばかりか早産や未熟児出産などを引き起こします。

妊娠高血圧症候群の予防

体重管理をしっかりと行い、体重を一気に増やさないことが1番の予防になります。塩分を控えて低カロリー高ビタミンのものを取るようにします。動物性脂肪の摂取は控え植物性のものを使います。また甘い物や間食は特に制限が必要です。

疲労やストレスをためないようにしっかり休養して睡眠をたくさん取ります。また適度な運動は効果があります、軽い散歩や家事など日常生活で行えるものでも十分です。

不安定な精神状態にならないように、リラックスを心がけます。イライラしやすいことや細かい作業などはこの時期には向いていません。また日常生活でもリラックスできる読書や音楽、ビデオなどが効果があります。

胎児発育遅延(IUGR)

母体の生活習慣病や胎盤機能不全が原因で、赤ちゃんの成長が普通より遅いトラブルです。胎児発育遅延(IUGR)の発症率は全体の2~3%。赤ちゃんが低出生体重で生まれる可能性が高く、17歳未満、あるいは35歳以上の妊婦に多く見られます。

近年、疫学的研究から胎児発育遅延(IUGR)があった赤ちゃんは、成人後に肥満や生活習慣病を発症しやすいことが明らかになっています。

胎児発育遅延(IUGR)の予防

胎児側に原因があることもありますが、妊婦管理をしっかりと行うことでリスクは軽減されます。上記の「早産」「妊娠高血圧症候群」の予防と同じように、身体的、精神的ストレスをためないようにして体重管理をしっかりと行います。

カフェインの過剰摂取、タバコ、アルコール、薬物の乱用などはとくに影響があります。これらに当てはまる人は特に注意が必要です。

逆子

逆子とは、おなかで胎児の頭が上になっている状態です(通常は逆さま)。出産時になっても赤ちゃんが逆子のままだと、帝王切開になることがあります。通常の赤ちゃんは32~36週くらいで頭位(頭が下の状態)に落ち着くことが多いですが、生まれる数日前まで逆子の赤ちゃんもいます。

2000年に世界26カ国、121施設(日本は含まれず)で2088例の骨盤位分娩(逆子)を検討した結果、経膣分娩では帝王切開より命に関わる重大なリスクが3倍増加するというデータがあります。この報告を受けて多くの施設は、逆子では帝王切開を施行しています。

逆子の治療

逆子体操(膝胸位)や外回転術手技(おなかの上から両手で胎児を強制的に回転させる方法)を行うこともあります。ただし常位胎盤早期剥離(分娩前に胎盤が剥がれてしまうこと)や臍帯券絡(へその緒が胎児に巻きつく)のリスクもあり、積極的ではない医師も多いようです。

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