妊娠6ヶ月、下腹や胸に妊娠線は見えませんか?お腹がふくらみ体重が急増しやすい妊娠6ヶ月は妊娠線が現れやすい時期です。妊娠線のできる仕組みと時期、目視で判断できる特徴をわかりやすく説明します。
妊娠線とはお腹の赤ちゃんと子宮の急激な成長によって、母体の皮膚を伸ばすことが間に合わずに、皮膚の下の皮下組織(ひかそしき)が引っ張られて亀裂が入ってしまっている状態です。
妊娠するとお腹が大きくなるので、お腹の皮膚は今までよりも広い面積が必要になります。かといってお腹周りの皮膚を増やすことはできないので、皮膚が伸びることになります。でも実際は、子宮と赤ちゃんの成長が著しいので、皮膚が伸びる前に引っ張られてしまうのです。
その結果、皮膚表面は伸びますが、皮下組織は無理な引っぱりによってひび割れのような線状の亀裂ができます。妊娠中のこうした症状を「妊娠線」と判断します。
皮下組織が裂けても、皮膚の下なのであまりわからないかもしれませんが、皮下組織は肌表面の表皮(ひょうひ)と、その下の真皮(しんぴ)を支えている肌構造の1番下の屋台骨です。
肌をつねったり、ひっぱると皮膚が伸びますね。でも、皮下組織はあまり伸びない性質です。だからお腹や胸が急にふくらむと表面の皮膚が伸びても、皮下組織は伸びきる準備ができていません。
亀裂のはいった皮下組織からは、赤紫色の線が見えます。色の濃さや太さは人によって微妙な差がありますが、これが妊娠線と呼ばれるものです。
皮下組織の多くは、中性脂肪(ちゅうせいしぼう)で「ぜい肉」というイメージを持たれています。でも、妊婦にとっては保温・エネルギー貯蓄で体を守ってくれる大切な場所でもあります。
妊娠線のできる時期は、妊婦なら急激に体型が変化して皮膚が伸びるときです。「最近ふっくらしてきた」と感じたら、妊娠線のできるタイミングです。
妊娠6~7ヶ月頃は、急激にお腹がふくらんで目立ちはじめる時期です。お腹のふくらみに合わせて皮膚も伸びるので、妊娠線が現れやすいです。こまめに意識してチェックしてください。
妊婦の体で妊娠線の出やすい場所は、お腹と胸が最も多く、次いでおしりと太ももに見られます。
妊娠線のできる場所には個人差があります。下腹に沢山あるのに胸には全く妊娠線ができない人もいれば、胸の妊娠線が目立ってしまう人もいます。
これといって、「どこにできると良くない」といったような判別はありません。ただ、妊婦自身は目立つところや人に気がつかれやすい場所の妊娠線に悩んでしまいます。
妊娠6ヶ月で胸が張り始めたら、表面に細い線が現れることがあります。
妊娠線は赤紫色と言われますが、症状が軽いと白っぽく薄い場合もあります。まるで血管が張りめぐらされているような模様だったり、小さなひび割れにも見えます。どちらも妊娠線です。
やがて胸の表面が痒くなってくるのも、妊娠線の特徴です。かぶれやすいブラは控えて、綿など妊婦用のやさしいゆったりしたブラを着用してください。
妊娠6ヶ月でお腹が急に膨らんだと思ったら、下腹にみみず腫れのようなデコボコ線がみつかることがあります。これも妊娠線の可能性大です。
お腹の妊娠線の太さは2~3mmが目安です。お腹の場所によっては、妊娠月数が進むにつれて肌が伸び、もっと太い妊娠線に見えることもあります。
安定期にはいって、腰回りがふっくらしてきたらおしりを鏡でみてください。人によってはおしりに妊娠線ができることがあります。
おしりにできる妊娠線は、急激に体重増加した時にみられる「肉割れ(にくわれ)」と判断する人もいます。
おしりの妊娠線は毛細血管がすけて赤っぽくみえたり、紫がかって見えますが、あまり自分でチェックしないようだといつのまにか産後に跡が残っていることで気がつく人もいます。
おしりから太ももにかけて、妊娠線が広範囲にできることもあります。安定期に入って急に食欲がわいて、運動不足が目立つ妊婦さんや、好きなものを沢山食べたくて食事管理ができなくなってしまった妊婦さんは気をつけてください。