妊娠5ヶ月の戌の日には安産祈願をしましょう。近畿地方の、安産祈願の有名スポットを紹介します。安産祈願の神社にはそれぞれ、安産を願うようになった由縁やその神社ならではの話があります。安産祈願の前に少し予習しておきましょう。
京都市北区の敷地神社は「わら天神」の通称で有名な、安産祈願スポットです。「わら天神」の由来は、安産お守りとして藁(わら)をいただくことから呼ばれるようになったそうです。
この藁は、性別占いも兼ねています。用紙に包まれた藁を妊婦が取り出して節があったら男の子、節が見当たらなければ女の子と予想されています。興味のある人はチェックしてみては。
わら天神の主祭神は木花開耶姫命(こなはなのさくやびめ)という天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫の奥さんにあたる女神です。
わら天神の立地は静かで落ち着いた土地で、出産後のお宮参りも多く、母子にとってはゆかりの神社になっています。妊娠9ヶ月の9日目の日は授乳祈祷の甘酒を授与されるそうです。安産祈願のさらし腹帯は、すでに祈祷済みです。
〒603-8375
京都府京都市北区衣笠天神森町10
TEL 075-461-7676
奈良県奈良市今市町にある帯解寺(おびとけでら)は、安産祈願や子育て祈願が有名で、奈良県の名所の1つです。
歴史も古く、平安時代に文徳天皇の妻が妊娠した時に、この帯解寺で安産祈願をして、無事に清和天皇を安産なさったことが安産祈願の由来です。
皇室や将軍家とも縁が深く、徳川家光公(とくがわいえみつこう)の世継ぎである竹千代丸さま出生の際も、帯解寺の本尊に祈祷したそうです。近年では秋篠宮紀子妃殿下にも安産祈願の岩田帯を献納しています。
御本尊は子安地蔵菩薩様です。安産祈願の祈祷をお願いした場合は、戌の日は混雑で少し待つこともあるようですが、腹帯やお守りについての説明もあって妊婦さんも安心できます。
〒630-8444
奈良県奈良市今市町734
TEL 0742-61-3861
京都市右京区にある梅宮大社は、名前にも入っているように、500本以上の梅の名所としても親しまれています。
平安時代初期の54代天皇でもある仁明天皇(にんみょうてんのう)は、梅宮大社の砂が敷き詰められた産屋で産まれたそうです。そこから安産の神様として参拝されるようになったそうです。またげ石をまたいで子宝祈願したところ、仁明天皇を授かったという説も有名です。
仁明天皇の出産の話から、梅宮大社の社殿の下の白砂を布団の下に敷いて眠るとよいそうです。白砂は「産砂」として安産祈願のお守りに入っています。
この話は現代にまで語り継がれ、本当に子どもをのぞんでいた俳優の奥さんが梅宮大社に祈願したところ、念願の子どもを授かったという話もあるそうです。
仁明天皇とその母、そして父親の嵯峨天皇も梅宮大社の相殿の祭神です。本殿の祭神は酒解神(さけとけのかみ)という、初めてお酒を作って神に献じた酒造の神様です。
梅宮大社への安産祈願は、梅宮の「梅」が「産め」とかけていることから、梅のきれいな3月第1日曜は「梅産め祭」があります。梅の咲く境内を楽しみながら、子授け安産など様々な繁栄祈願をする日です。
〒615-0921
京都府京都市右京区梅津フケノ川町30
TEL 075-861-2730
滋賀県彦根市にある済福寺は、彦根大仏(ひこねだいぶつ)と呼ばれる5.5mの本尊が有名な安産祈願スポットです。済福寺の周辺は七曲がり(ななまがり)と呼ばれる仏壇街です。
昔、彦根藩主が夢のお告げを受けて彦根大仏の中に安産地蔵尊(あんざんじぞうそん)を寄進したそうです。大仏の胎内に納められているので、見ることはできません。これが安産祈願の始まりだと考えられています。
参道には、特徴的なひし形の敷石が続いています。山門も本堂も、ちょっと独特でこれは宗派によるものだそうです。黄檗宗(おうばくしゅう)という宗派で、読経も古い中国語の発音で行います。
〒522-0033
滋賀県彦根市芹川町919
TEL 0749-22-3974