トリコモナス膣炎の初期症状と治療方法、妊娠中に気をつけてほしいことを、やさしく説明します。トリコモナス膣炎になると黄みがかった泡状のおりものが出ますが、内診を怖がって治療を遅らせることで慢性化することが心配です。
トリコモナス膣炎の原因は、とっても小さな原虫が感染することです。一度感染して症状が治まっても、子宮頸管などにわずかに残った原虫が水分によって増殖して再発することも考えられるので、完治まで徹底した治療が大切です。
パートナーとの仲良しによる接触感染が考えられますが、男性は無症状が多いので気がつかないうちに感染していることが多いようです。また、仲良しだけでなく共同トイレの便座や下着からも感染します。
トリコモナス膣炎の主な症状を説明します。当てはまる症状があった時は病院に相談してください。
多くは下着に付着したおりものの変化で気がつきます。痒みや灼熱感は我慢できないほど、強くあらわれるケースもあります。
妊娠の有無に関わらず、おりものが黄みを帯びていたり、泡状が混じっていたら要注意です。
妊娠初期のトリコモナス膣炎は、妊娠前から感染していたケースもあるので、気がついたら治療するほかありません。
こうした病気は、抵抗力が弱まったときや、体力が低下した時に発症するものです。妊娠をきっかけに活動していなかったトリコモナスの原虫が急に活発になることも考えられます。
妊娠初期は、つわりなど我慢することが多いので、少しの不快症状なら我慢してしまうかもしれません。
我慢して痒みが治まったとしても、けっして根本的に治療できたわけではありません。不快症状を、一時的に乗り切っただけです。
もしも妊娠前からトリコモナス膣炎を我慢している場合は、原虫が増殖して流産をひき起こす場合もあるので、早急に婦人科に相談してください。
妊娠中期はトリコモナス膣炎の症状があったら、徹底的に治療してください。なぜなら妊娠後期にはいると、もっと赤ちゃんに影響を及ぼす可能性が高くなるからです。
もしも妊娠初期にトリコモナス膣炎の症状があって、我慢してしまった場合は検診で報告してください。トリコモナスの原虫は自然治癒で全滅することはありません。だから膣内に潜んでいる可能性があります。
妊娠後期は確率はわずかですが、お産時の産道感染が心配です。臨月だけ気をつければ良いわけでもありません。出産予定日は、あくまでも目安であって何週間も早く子宮口(しきゅうこう)が開きはじめることもあるのです。
もう1つ気になるのは、前期破水(ぜんきはすい)といって予定日よりも早く卵膜が破れて、赤ちゃんを保護している羊水が子宮から流れ出てしまうトラブルです。トリコモナス膣炎が完治していないと、前期破水をひき起こしやすいという説もあります。
トリコモナス膣炎の治療には、抗原虫剤を使用します。内服薬で体内から抗体をつけ、外用薬では膣剤の挿入や軟膏クリームの塗布をします。
他に膣洗浄で感染の広がりを防ぎます。治療中の膣洗浄は自分で行うと、逆に細菌を侵入させてしまうこともあるので医療機関にお願いして指示に従いましょう。
服用は人によりますが、だいたい2週間は続けるようです。もちろん、治療期間中は温泉や共同プールを控えて、疲れをためない生活を心がけてください。
女性がトリコモナス膣炎になったからといって不潔や珍しい訳ではありません。もともとトリコモナス原虫はグリコーゲンを好んで消費します。グリコーゲンは男性よりも女性のほうが保持しています。ですから女性のほうが感染しやすく、症状も出やすいのです。
ここでパートナーに確認して欲しいのが、男性側の治療の有無です。なんでもなければ安心ですし、もしも無症状で感染しているのなら慢性化する前に治すべきでしょう。
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