熊本市の慈恵病院が今月10日に設置した、国内初の赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)に3歳の男児が預けられていたことが分かりました。
男児の健康状態は順調で、しっかりと自分の名前やパパの名前、住んでいた場所も話しているそうです。
3歳の男児によると(自分は)福岡から父親と一緒に新幹線に乗ってきたと言い、赤ちゃんポストには父親に「かくれんぼをしよう」と言われて入ったとのことです。
赤ちゃんポストの利用は対象として「生後2週間以内の新生児」としていますが、想定外の3歳児の利用だったことで、熊本県警は父親が「保護責任者遺棄罪」に当たるかを調べています。
ただ男児の健康状態が良好で虐待の跡も見られずに、安全が確保される赤ちゃんポスト(病院)に置かれていることから、父親が保護責任者遺棄罪に当たる可能性は低いようです。
「赤ちゃんポスト」については、この計画によって救える命があるのも事実としながら、「子育て放棄を増長する」と難色を示している人も大勢います。熊本市は国との協議を踏まえ「赤ちゃんぽすとを許可しない合理的な理由はない」と設置を認め、今月10日に運営がスタートしたばかりでした。
男児が預けられたことについて、同病院の蓮田太二副院長は「事実だとしても、そうでないとしても、医療法人としてコメントできない」としています。
しかし今回の出来事は本当に「想定外」だったのでしょうか?
少なくとも赤ちゃんポストは全国で多くの注目を集めています。そして多数の批判意見があがる中、それを強引に押し切るような形でスタートを始めたはずです。
今回のことは設置側として想定外ではなく、「十分にありえること」と危惧していたかもしれません。設置前に「赤ちゃんポストの不都合として何が起こるか?」と、問いかければ容易に浮かび上がる出来事です。
「赤ちゃんポスト」が本来の趣旨とかけ離れて利用されることは、とても残念でなりません。赤ちゃんポストが「安易な育児放棄を助長する場所」として存在することだけは、あってはならないことです。
反対意見を訴える人たちは、「早くも恐れていたことが起こってしまった」と不快感を示しているでしょう。
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