8月12日、総選挙を同30日に控える民主党が、不妊治療を支援する公約(マニフェスト)の確定版を発表いたしました。
公約(マニフェスト)とは「これから力を入れていく政策」という意味で、民主党は不妊治療について「情報提供、相談体制の強化」「適応症と効果が明らかな治療には医療保険の適用を検討」と発表しています。
政権自体や政党については賛否両論がありますのでここでは触れませんが、この発表された不妊治療の公約について少し考えてみたいと思います。
不妊治療については、最近になってテレビや雑誌で特集が組まれたり、また「不妊治療をしていた」というタレントなどの影響で、やっと、少しずつではありますが、理解されるようになってきたというのが現状です。しかし実際には多くの人にとっては不妊治療は「他人事」でしかなく、本当に意味で理解されているとはとても言い難いでしょう。
e-妊娠では、不妊治療中に何より辛いことの1つに、授かれないストレス、不妊治療費、注射などの痛み、と共に、「周りに理解されないこと」をあげています。
毎日普通に暮らしていて何も悪いことをしていないのに、「肩身が狭い」と感じてしまうことが多く、周りの人から「心無い言葉」を投げかけられることも多々あります。
以前の投稿で・・・「私の心は悪魔になった」というものがありました。
不妊治療をしたことのない人には、この言葉は理解ができないでしょうけど、「周りに理解されないこと」で、本当にこれほどに追い込まれてしまうことだってあるのです。
同じように頑張る人がいる、また相談できる場所があるということは、不妊治療をしている人にとっては嬉しい限りだと思います。
医療保険とは、病気で入院したり手術を受けたりした場合に、その費用の給付が受け取ることができる保険です。この中の「病気」という言葉がネックなのです。何故なら不妊治療は病気ではなく、ほとんどの治療が保険対象外となってしまっているからです。
体外受精などの高額な治療には少子化対策の一環として、「助成金」(年間20万円)が払われるようになりましたが、それでもとれも治療を「まかなえる」金額ではありません。
今回の公約では「不妊治療費の適用を検討」ということで、「検討」という言葉が総選挙の人気取りのためだけではなく、実現に向かうことを願います。しかし公約として不妊治療が取り上げられたことは頼もしく、今後の選挙でも各政党の公約(マニフェスト)によって「不妊治療のあり方」がどんどんいい方向に改善されていくかもしれません。