妊娠中は口の中をさっぱりさせたい、食欲はないけどなにか飲みたい、無性に甘いものが食べたくなる等、普段とは違う嗜好が表れる時です。なかでも妊娠初期は、つわりや口内の清涼感を求めて炭酸飲料が飲みたくなる妊婦さんも少なくありません。妊娠中の炭酸飲料は、体にどのような影響を与えるのでしょうか。
炭酸飲料の成分は商品によって様々ですが、多くは炭酸飲料と言えば甘みや独特の香りや色のあるソフトドリンクが身近です。またビールなどのアルコールが含まれている炭酸飲料もありますが、こちらは妊娠中にはもちろん飲んではいけません。
炭酸飲料とはシロップや植物のエキスに炭酸ガスを加えてつくる飲み物です。ですから、炭酸事態に味や色はなく、一緒にするシロップ等に甘みや味の特徴があります。例えば、水に炭酸ガスで無糖ソーダ、果汁に炭酸ガスで果汁ソーダが作られます。
炭酸飲料は作るというより、市販の商品を買う印象が強いので、含まれている成分を選んだり調節したいと思うよりも、どの味や甘みが好きかで選びがちです。そして多くの飲料を選ぶ際に、甘みはとても重要なポイントになっています。以下はよく、甘みのある炭酸飲料に含まれている成分の特徴です。
炭酸飲料の中でも最も問題なのが砂糖の使用です。炭酸の独特の爽快感によって見過ごされがちですが、想像以上に多量の砂糖が使われている場合があります。少量飲むだけなら全く問題はありませんが、毎日大量に飲むと糖分の摂り過ぎになるので、甘い炭酸飲料は量に気を付けましょう。
炭酸だけに限らず、甘みを出す材料は和三盆や白砂糖などの砂糖だけではありません。同じ分量でも砂糖より甘みを感じさせるステビアやカロリーゼロの人口甘味料など様々です。人口甘味料と妊婦の関係はまだ分かっていないことも多く、極力、砂糖だけではなく人口甘味料も控えることが望ましいでしょう。(*写真:カロリーはゼロだけど、人口甘味料をたっぷりと使用している炭酸飲料)
全ての炭酸飲料ではありませんが酸味を出す成分として、リン酸が使用されています。炭酸飲料で骨が溶けるという説は、リン酸や糖が原因だと言われています。しかし炭酸飲料が体内で直接骨に染みるのかというと、あまりピンときません。
しかしリン酸はカルシウムと結合して排泄されるので、リン酸が体内に多いと排泄されるカルシウムも多くなってしまいます。血中のカルシウムが排泄されすぎると、体は骨からカルシウムを血中に送ります。これが、リン酸が骨を溶かす理由にも繋がります。妊娠中、カルシウムは胎児の成長に不可欠です。ですから、カルシウムの補給も忘れないようにしましょう。
実はコーヒーや紅茶に含まれるカフェインは炭酸飲料にも含まれます。しかし含有量はコーヒーに比べるとかなり低く、カフェインのもたらす影響はあまり目立ちません。カフェインは子宮を収縮させる効果があると言われています。
炭酸水素ナトリウムは名前は薬品ぽい印象ですが、粉状の炭酸飲料や入浴剤にも使用されています。パンやお菓子を焼く際のベーキングパウダーが炭酸水素ナトリウムです。炭酸水素ナトリウムにクエン酸を加えることで、炭酸ガスが発生して炭酸水が出来上がります。
塩分が含まれているので、禁止ではありませんが妊婦や子どもは量を控えめにするよう注意されています。妊娠中は塩分の取り過ぎが胃に負担をかけたり、足の浮腫みを引き起こします。
甘い炭酸飲料も冷えていると甘みが感じにくく、どんどん飲んでしまいがちです。しかし、一定量を超える糖分を摂取すると、血中のブドウ糖濃度に異常おこって低血糖におちいります。
ちなみに血糖値が下がると、脳の働きが鈍くなり集中力を欠いたり、やる気が起きずに無気力状態になりがちです。性格面でもイライラする可能性があり、妊娠中の不安定な情緒をさらに悪化させることが心配です。
ペットボトル症候群とはソフトドリンクや炭酸飲料といった甘みや刺激のある飲み物が、ペットボトルなら手軽に手に入り、簡単に飲めることからついた急性の糖尿病の名前です。水分補給をしているようで、実は知らず知らずのうちに糖分を過剰摂取してしまうので、ペットボトルを購入する20〜30代に多い症状です。
更に、気軽に手に入ることからペットボトル飲料が特別ではなくなり、ペットボトルでの摂取が当り前のようになっている最近は、ペットボトル症候群の自覚のない患者が多いのも特徴です。
甘いソフトドリンク2リットルを水分代わりに飲むとして、糖分は少なくとも120gは入っていると言われています。よくカフェに備え付けてあるスティックシュガーは2g程度です。詰まり、単純計算でもスティックシュガー60本を摂取していることになります。単純な計算でもこれだけの砂糖を含んでいるのです。
夏や気温の高い時期は摂取する飲み物にも気を付ける必要があります。特に妊娠中は、よくのどが渇く症状が見られます。つわりの時期は口の中が不快で、炭酸ですっきりさせたい時もあります。しかし、含まれている糖分の過剰摂取は胎児にも良い影響を与えません。市販のソフトドリンクだけに偏らない水分摂取を考えてみましょう。
妊娠すると体力の消耗も増えますが、汗をかきやすくなる症状も目立ちます。妊娠中は口の中に不快感を感じたり、それを解消したくて飲み物を飲むことがあります。つまり、妊婦は通常よりも水分摂取が多くなりがちなのです。
ソフトドリンクや炭酸飲料といった飲み物は、口をさっぱりさせたり気分転換に飲むことにして、普段の水分摂取は水やお茶などの糖分のない飲み物を選びましょう。また、外出先では気軽に手に入るペットボトルに頼らず、水筒やマイボトルを持参してみましょう。
どちらかというと、ソフトドリンクや炭酸飲料は水分と考えず、間食やおやつと考えて量を決めると飲み過ぎを防ぐことができます。また、購入する時はなるべく少量のボトルを選びます。炭酸が抜けたら美味しくなくなると、無理に大量に飲み干すことは避けましょう。
それでも炭酸飲料を頻繁に飲みたい時は、純粋な炭酸水や無糖のミネラル発泡水を選んでみましょう。炭酸の口当たりでも甘みがなく、レモンを加えてビタミンを摂取することもできます。まったく炭酸を摂取してはいけないわけではありません。量を守ること、そして飲料の成分内容も自分で確認することが妊娠中の栄養管理にも繋がります。(*写真:妊婦さんにも安心のゲロルシュタイナー)
つわりや口内の不快感で、炭酸飲料を飲みたくなる妊婦は珍しくありません。妊娠初期の場合は、量を自分で決めておきましょう。ここで大量摂取の癖を付けると、妊娠後期まで習慣になってしまう恐れがあります。絶対に飲んではいけないわけではありません。血糖値が上がるなど胎児への影響も考えて、ほどほどに留めることです。
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