日本産婦人科医会の調査で、新型インフルエンザで入院した妊婦は、早産の可能性が通常よりも2.5倍高くなると分かったそうです。
調査に関わった妊婦は無事に出産を終えたそうですが、振り返って調査すると早産の割合が高かったそうです。
つまり、早産になった妊婦に新型インフルエンザが何らかの影響を及ぼしているのかが焦点です。ただ、今回は統計が公表されただけで、新型インフルエンザと早産の密接な関係性は分かっていません。
インフルエンザ以外の風邪やその他の病気でも当てはまることですが、妊娠中は様々な病気が重症化しやすく、妊婦自身も体力を消費しやすいので健康には普段以上に気を付けましょう。
最近では、昨年までのインフルエンザワクチンに対して耐性をもった新しいインフルエンザウイルスの出現もあると言われています。予防接種はもちろんですが、それだけでは完全にインフルエンザウイルスを防ぐことは不可能です。
妊娠中は特に、普段の生活でも自分でできるインフルエンザ対策をしていく必要があります。そして早産は、望んで起こるものではありません。妊娠中は早産に対する知識を持つことで、臨月前の前駆陣痛や破水にも慌てず対応することができます。
早産とは、妊娠22週から37週未満の出産を指します。原因は様々で、胎盤が出産前に子宮から離脱してしまったり、妊婦の高血圧症候群の場合は、母体と子どもの生命を守るために意図的に行う場合もあります。一方、突然の破水やトラブルによって突然、早産を余儀なくされる場合もあります。
ですから、早産といっても理由は人それぞれです。自然と早産になる場合もあれば、妊娠中の母体の変化によって人工的に早産にする場合があるのです。
また早産といっても、産まれる妊娠周期でその後の治療法や対応が全く違います。やはり38周以降に出産する場合と比べると、出生児の体重や体力も低くなるので慎重な対応が求められます。
現在は医療技術の進化により、たとえ早産で産まれても適切に素早い処置が行われるようになりました。通常の出産児と異なる点は、NICU(新生児集中治療室)などでの治療によって保護されることです。
インフルエンザ対策には、インフルエンザの予防接種が挙げられますが、妊娠中の予防接種は担当の医師によく相談して決めましょう。インフルエンザの予防接種は毎年、秋から始まります。これは予防ワクチンの効果が出る冬に備えるためです。
しかし、それ以外にも手洗い、うがい等、日常的に気を付けることがあります。こまめに手洗いやうがいをすることでウイルスの侵入を防ぐことができます。これから季節の変わり目には乾燥するので、マスクも重宝します。
そして大切なのはインフルエンザの予防は、流行時だけではなく常に行うことです。流行間近になると様々な情報が出ますが、その前からインフルエンザウイルスの感染を予防をしましょう。
特に早産のリスクが明らかになった妊娠中のインフルエンザウイルスの感染には、予防対策をしっかりと理解しておく必要があります。もしも、体調がすぐれない時は無理せず休養をとりましょう。そして、定期健診時ではなくても、医師に診察をお願いしましょう。
日本産婦人科医会による調査報告:
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