こむら返りは、足の筋肉のけいれんです。正式には「ひふくけいれん」という、筋肉の異常収縮と診断されます。けいれんは一瞬で終わることは少なく、治まるまで痛みを伴います。
「ひふくけいれん」の「ひ」は「腓」という漢字です。こむら返りの「こむら」、つまり、ふくらはぎのことを指します。妊娠中にふくらはぎに違和感を感じる時は、こむら返りの可能性も疑いましょう。
こむら返りで筋肉がけいれんするのは、ふくらはぎの筋肉や神経が緊張して収縮したまま緩まないからです。これは自分の意志とは別なので、いつ起きるか、いつ治まるかもコントロールしにくいのが困るところです。
妊娠中は運動不足・栄養不足・足への負担など、こむら返りにつながることが多々あります。実は出産時も足に力が入った時にこむら返りが起こる場合があり、妊婦にとっては知っておきたい症状です。
こむら返りになりやすい時は、自分の体調が上記に当てはまるか確認してください。病気から、こむら返りになりやすい人もいるので上記の原因が全てではありません。
日常でおこりやすい運動不足や栄養の偏りは、こむら返りになりやすいと考えられています。特に妊娠中は体を大事にするので運動不足になったり決まった範囲でしか行動しなかったりします。移動も無理は出来ないので、足の筋肉が衰えがちです。
妊娠後期では赤ちゃんが胎内で大きく成長する時期で、ママ自身も出産に向けて栄養が必要です。ここでカルシウムが不足すると、こむら返りになりやすいようです。
その場でできる、こむら返り対処法を紹介します。まずは可能なら、こむら返りを起こしている部分を冷やします。1人で移動は出来ないので、就寝中なら布団をどかすだけで大丈夫です。
手伝ってくれる人がいる場合は、寝た状態でこむら返りの起こった足をゆっくり持ちあげてもらいます。
足先は天井方面に向けて、かかとが地面につく状態です。それ以外は無理に足を動かすと傷みが増すので気を付けてください。スローモーションのようにゆっくり上げると傷みが軽減されます。
足を持ち上げる時に、準備運動のように反動を付けると収縮している筋肉に刺激を与えてしまいます。反動は与えずにゆっくり持ちあげるのがコツです。
足を持ち上げて痛くなる手前の高さで少しじっとします。じんわり、ふくらはぎが伸びていきます。ふくらはぎを叩いたり、力を込めないように気を付けてください。
ふくらはぎが楽になってきたら、反動をつけずに最後まで手で支えながら、ゆっくり足を下ろします。
緊張していた筋肉をほぐそうと無理に強くもんだり、叩くと筋肉に更なる負担をかけてしまいます。叩くよりも手の平でさすることから様子を見ます。マッサージは翌日以降、ゆっくり始めてください。
1人で応急処置をする時は上半身を起こして、こむら返りをしている足の親指を持ちます。
こむら返りになっている足の指先が天井、かかとが地面で足裏は床と垂直になるようにします。痛みがある場合は無理せずできる体勢で行います。
手でつまんだ足の親指先をゆっくり上に持ち上げます。頭に向けて持ちあげるので、ふくらはぎの裏がゆっくり伸びます。一気に伸ばそうとしたり、反動をつけていると肉離れを起こすこともあるので勢いはつけません。
妊婦は足を上げる時にお腹に力が入ります。枕やクッションで足を高くしたり、椅子に足をかける方法もあるので、1人で無理をしないでください。
こむら返りの応急処置を1人で行う時は、就寝中なら布団や枕を活用します。その場しのぎですが、布団や枕を足首付近にまとめて、万が一足が降りても負担がかからないようにします。
こむら返りの再発を防ぐために急激な運動をすると、筋肉に負担がかかります。こむら返りの応急処置をした後は、ストレッチや運動は少しずつ増やすようにしてください。すこし、ふくらはぎを労わって、こむら返りが癖にならないようにします。
妊娠中はお腹に刺激を与えたり、負担になることはさけます。普段できることとして、立った状態で両足を前後に開き、後ろの足を伸ばします。
前後の足をいれかえて両足のふくらはぎ・ひざ裏・足首を伸ばします。キッチンやリビングでもできるので簡単です。運動で筋肉を使わず、こうした簡単なストレッチで筋肉を使うだけでもこむら返りに効果的です。
妊娠中はお腹の重みもあるので、絶対にこむら返りにならないという確約がありません。ただ栄養だけは赤ちゃんの成長の為に変わらず摂取してください。