妊娠中いつも喉が渇いたり、口の中がネバネバする症状が気になったらドライマウスに注意。ドライマウスの主症状とセルフケアをわかりやすく紹介します。
ドライマウスとは、唾液(だえき)の分泌量が低下して口の中が乾きやすい状態になることです。普段は唾液によって口内が湿っているのに、ドライマウスの症状が強くなると粘膜が乾いて不快感があらわれます。
妊娠初期は「よだれつわり」という言葉があるほど、唾液の分泌が過剰になってドライマウスとは無縁になる人もいますが、ホルモン変化によってネバネバ感や乾燥に悩む人もいます。
妊娠中は唾液がアルカリ性から酸性に変化するなど口内の変化も著しいので、妊娠中に突然ドライマウスが気になるケースもあります。
ドライマウスになると唾液の分泌が減るので、口内が乾きやすくなります。乾燥が続くと頬の内側がカピカピしたような、カサカサ感が発生します。舌の表面も潤いが足りない状態です。特に食べ物を噛まずに飲みこんでいる人は、唾液量が減りやすいので注意が必要です。
口内の乾燥は不快感だけではなく、歯や舌に残っている食べかすや雑菌が停滞しやすいデメリットもあります。食べかすや雑菌が繁殖すると虫歯や口臭の原因になります。
妊娠中はホルモン変化の影響で、口内がネバネバする人が増えます。ドライマウスでも口内のネバネバ感が目立ちます。なにも食べていないのに納豆を食べた後のようなネバネバ感が消えずに不快です。
ドライマウスの特徴として、口内がネバネバしている状況だと焼き菓子やパサパサ感の目立つ料理が食べにくくなります。そうなると食べやすくするために水で流し込みたくなりますが、噛む回数が減るのでさらに唾液分泌量が少なくなり逆効果です。
妊娠中は口内のネバネバ感に悩む人が増えます。特に妊娠初期に強く感じて食事がしにくくなったり、不快感からイライラすることもあるので放置したくない症状のひとつです。
ドライマウスになると、唾液の流れる量が減るので舌の上に食べかすや雑菌が残りがちです。だんだん舌表面が白っぽくなります。この白い汚れの正体は「舌苔(ぜったい)」と呼ばれていて、食べかすや不要になって剥がれ落ちた粘膜のかけら、細菌など不要な雑菌汚れです。
舌苔は唾液で流されれば白くこびりつくまで残りませんが、ドライマウスで唾液が少ないと肌表面に残る不要な角質のように、舌表面に残ってしまいます。
ドライマウスによって舌苔が残り続けると、においの発生源となり口臭になります。妊娠中は口内が酸性で雑菌が繁殖しやすいので、ドライマウスになると口臭が発生しやすいので注意が必要です。
ドライマウスになると口内が乾燥するので、のどが渇きやすくなります。人によっては常に飲み物を飲みたがります。唾液が少ない分、水分補給をしないと乾燥したままになってしまうのです。
妊娠中は、ジュースや炭酸飲料ばかり飲んで糖分の摂りすぎにならないように気を付けたいです。免疫疾患の1つであるシェーングレイ症候群も、のどが渇く症状が特徴なので症状が強いときは自己判断に任せず、歯科に相談することをおすすめします。
妊娠中のドライマウスを解消するには、まずストレスをためない生活を心がけてください。ストレスは唾液の分泌を少なくしてしまうので、ドライマウス症状を強くする原因です。リラックスして適度に体を動かしてみましょう。
ドライマウスは唾液の分泌が少ないことが特徴なので、よく噛んで食事をすることも効果的です。つわり中や胃が圧迫されるときは食欲も減って簡単に食べることのできるゼリーやスープを食べる人も多いのですが、顎をうごかして唾液を分泌させるよう気にしてみましょう。
妊婦健診や買い物で外出するときは飲み物を持参して、常に口内を潤してください。ガムや飴も唾液の分泌につながりますが、糖分を考えて選びます。飲料も糖分やカフェインの摂りすぎに気を付けたいです
室内では乾燥がドライマウスの大敵です。乾燥した空気は鼻粘膜を乾燥させて鼻呼吸よりも口呼吸になりがちです。口呼吸で口内が乾燥するとドライマウス症状が悪化します。快適な部屋の湿度は40~60%です。湿度が60%を超えるとカビが繁殖しやすく、逆に40%以下になると乾燥を好むインフルエンザウイルスが活発になります。