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妊娠後期の尿漏れ

妊婦さんとパパ

妊娠週&出産カウントダウンの設定

お産に向けて大きくなる子宮

妊娠後期になると、それまでポッコリした程度だったお腹が、どんどん大きくなります。妊娠後期はお腹の赤ちゃんの成長も著しく、子宮も最大限まで大きくなっていきます。

例えば、妊娠後期にあたる妊娠9ヶ月に入った時点では、子宮は32~34cmです。重さは約1kg。子宮容量は約5リットルにもなります。

妊娠初期では子宮の大きさは卵1個ぶん程度でした。そのころと比べると、かなり大きくなったことがわかります。

そして、その妊娠後期の子宮内の羊水は、ピーク時で800mlあります。羊水だけで800mlまで増えるのです。子宮を支える骨盤低筋は、子宮の成長に応じて増えることもないので、お産に向けて子宮を支える負担は増えていきます。

圧迫される膀胱

妊娠後期になれば子宮が大きく重くなって、膀胱をいつも押し気味になります。膀胱に尿が貯まり始めると、周囲の膜が伸びて膨らもうとします。

ところが子宮が上から圧迫するので、膀胱は膨らむことができません。赤ちゃんも成長しているので子宮は重くなり、膀胱が押し返すことはできないのです。

妊娠後期は常に子宮からの圧迫で、膀胱が普段のように膨らむことが困難な状態だと考えてください。

風船のように膨らみきれず、すぐに膀胱がいっぱいになったと感じてトイレに行きたくなるのです。妊娠後期に(尿漏れがなくても)トイレが近くなるのは、このような理由があるからです。

頻尿と尿漏れ

すぐに尿漏れにならないケースもあります。まず頻尿が目立ち始めます。ただし、妊娠後期の妊婦さんは誰もが頻尿だと思うくらい、当たり前の症状です。

妊婦の頻尿が目立ち始めると、1時間に1回はトイレに行きたくなります。人によっては飲みものを飲むとすぐにトイレに行きたくなります。

妊娠中にそうした症状が目立ち始めたら、我慢することで尿漏れが起きやすい時期だと考えます。頻尿は、尿漏れ対策を始めるサインです。

くしゃみや大笑いで尿漏れ

妊婦のくしゃみ

妊娠後期の膀胱がどのくらい刺激を受けているのかというと、くしゃみ1回で尿漏れしてしまうほどです。尿漏れに悩む人なら、くしゃみや咳1回だけで尿漏れして驚くこともよくあります。

くしゃみをする時、ほんの少しお腹に力を入れる瞬間があります。通常ならばお腹に力がはいることで張ってしまうことはありますが、膀胱までは影響ありません。ところが妊婦はちょっと違います。

妊婦さんはテレビを見たり話していて、突然大笑いした瞬間に尿漏れすることがあります。それほど妊娠後期は尿漏れしやすい人が多いです。

膀胱は、腎臓(じんぞう)から尿が送られてくれば貯めていくしかありません。妊婦の膀胱は大きくなる子宮にグイグイ押されているので、ちょっと刺激があるだけでこぼれてしまうような、不安定なコップ一杯の水のようです。

破水と尿漏れの違い

お産が近くなると、尿漏れの量も多くなります。これは、お産に向けて赤ちゃんが産道を通りやすくなるように筋肉が柔らかくなることと関係しています。筋肉を柔らかくして赤ちゃんが下に降りやすくするのです。

お産のときは、赤ちゃんを守っていた羊水も排出されます。羊水に守られていない赤ちゃんは、早く産まれないと産道感染など様々なトラブルに遭いやすくなります。

通常なら破水は、陣痛が始まってから起こります。陣痛やお産の時期に至っていないときの破水は、前期破水(ぜんきはすい)と呼びます。前期破水は尿漏れと区別しにくいのが特徴です。

自己判断ではわからない場合は、必ず病院に連絡してください。特に妊娠後期は、誤った判断は危険です。もしも破水だった場合は、すぐにお産しないと赤ちゃんが困ってしまうからです。

前期破水の色

尿漏れは臭いや、自分の普段の尿と比べることで確認できます。前期破水の色と尿漏れが、色で判断できれば安心できます。

ところが前期破水の場合は、個人差があるのでこれといった決め手はありません。破水の色も人それぞれで透明~薄い黄色、白っぽい、おしるしも混じって薄ピンクの場合もあります。人それぞれだから、厄介なのです。

尿漏れなら黄色だというイメージがありますが、もともと妊娠後期に頻尿で悩んでいる人は破水に驚いて尿漏れしてしまうこともあり、全てが破水なのか、それとも尿漏れが混じっているのかを確実に判断しかねます。

妊娠後期で破水か尿漏れか、少しでも迷ったときは必ずその場で病院に連絡してください。

尿漏れの相談方法

産婦人科

尿漏れか破水かわからない、妊娠後期になって尿漏れといえども多量で心配なときは、尿漏れの色や状態を必ず申告してください。

例えば、尿漏れだけど、おりもののカスが混じっているときは膣周辺の感染症が見つかる場合もあります。色によっては出血が混じっている場合もあります。

状態を教えるのは恥ずかしいことですが最も重要な判断材料になるので、誰もが伝えるべきことだと考えましょう。

病院では、妊婦の尿漏れは珍しいことではありません。

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