妊娠初期に母体が風しんに初感染したとき、赤ちゃんが先天性風しん症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)の影響をうける可能性があります。赤ちゃんにどんな症状や影響が現れやすいのか、わかりやすく解説します。
先天性風しん症候群の代表的な症状を紹介します。どの症状が目立って現れるかは、母体の感染時期にもより人それぞれです。
※風しんウイルスに感染したからといって、必ず先天性風しん症候群にかかって以下の症状が出るわけではありません。
低体重児・・・出生時の体重が少ない赤ちゃん。現在は出生時に2500g以下の赤ちゃんを指します。
難聴・・・耳の聞こえが悪い症状です。生後の検査で判明します。
白内障、緑内障・・・視力に異常をきたす症状です。白内障(はくないしょう)は水晶体が濁って見えにくくします。緑内障(りょくないしょう)は視野減少で眼球疲労や視力低下が心配です。
心疾患、心臓の形態異常・・・肺に負担をかけて呼吸を乱される動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)や、肺動脈搾取症(はいどうみゃくさくしゅしょう)など。
水頭症や小頭症・・・水頭症は脳脊髄液(のうせきずいえき)が貯まって、脳室が大きくなる症状です。小頭症は頭がい骨が脳の成長前に早期結合してしまったり、何らかの原因で大きくならない症状です。
小眼球症・・・眼球の先天性の疾患で、眼球が小さく視力が弱い症状です。
風しんにかかる年齢は赤ちゃんから始まっています。だから妊娠中や、その世代の女性だけが注意する病気ではありません。でも、妊娠初期は要注意です。
妊娠初期、特に妊娠4週までに風しんウイルスに感染すると、50%以上の確率で先天性風しん症候群を発症すると言われています。でも妊娠4週といったら、妊娠に気がつく頃でもあります。
妊娠判明前から「妊娠しているかもしれないから、風しんウイルスに気をつけないと」なんて予測できる人は少ないでしょう。こればかりは、ママの風しんや先天性風しん症候群に関わる知識が頼りです。妊婦になったら先ず、安定期まで風しんウイルスが危険だと考えてください。
妊娠4週以降は徐々に先天性風しん症候群の確率も下がって、妊娠後期に風しんウイルスに感染した場合は、胎児に影響は出にくいと言われています。つまり妊娠中の風しんは、妊娠初期に集中して気をつけてほしい病気なのです。
先天性風しん症候群で起こりうる症状を知ること、妊娠初期の初感染がどうして要注意なのか知ることが大切です。つまり妊娠初期には知っていてほしいのです。
生涯免疫を保持していれば、いつ風しんウイルスに接触しても感染の心配はありません。すでに風しんウイルスに感染したことがあって体内に抗体がある人も、先天性風しん症候群を予防できます。
でも、自分に風しんウイルスの抗体があるか、予防接種を済ませていたかわからない人も多いはずです。そんな時は、考え込まずに病院に相談してください。もしも予防接種を受けるようであれば、接種後数ヶ月は妊娠を避けますが安心できます。
すでに妊娠が判明して、妊娠初期の人は人ごみや流行中の地域に行くことを避けてください。仕事の都合などで、そうも言っていられない場合もあるでしょうが、気をつけてほしいのは妊娠初期なのです。もしも風邪のような症状や、疑わしい体調の時はすぐに病院で診察を受けてください。