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おりものは女性ならではの症状の1つです。おりものは、「オリモノ」「下り物」「帯下(たいげ)」「こけし」などともいい、私たち女性の膣口から出る粘液や組織片といった分泌液です。
おりものと聞くと、臭いが気になったり、下着が汚れてしまうから嫌なイメージが先行しがちです。本当は、おりものは私たち女性の体を知るうえで、とても大切な情報源になってくれます。なかなか聞くことのできないおりものについて、くわしく解明していきます。
おりものは体内の分泌液です。子宮や卵管・膣・バルトリン腺(ばるとりんせん)からの分泌液に、尿道の左右にあるスキネ腺、外陰部付近の汗腺(かんせん)や皮脂腺(ひしせん)からの分泌液が混ざったものです。膣口から出る時は、ちょっとべたついたり、滑らかなゼリーのような状態です。
バルトリン腺は膣口(ちつこう)の左右にある分泌腺です。バルトリン腺から分泌される分泌液が、バルトリン腺液です。これが膣の分泌液と混じって、仲良しのときは潤滑油の役割を担います。
おりものは汚い成分ではありません。膣や子宮からの分泌液に、体に害のある成分が入っているわけではありません。女性の体にとっては、おりものが出ることは自然現象だと考えてください。
おりものにはデーテルライン桿菌(でーてるらいんかんきん)という乳酸菌が含まれています。ここに、おりものが体にとってプラスの役割を担っている証拠があります。
女性の膣の中には、様々な真菌や細菌が常駐している状態です。全てが悪い細菌ではありませんが、体調が弱い時は真菌や細菌が悪い方向へ増殖してしまう恐れがあります。
デーテルライン桿菌は、膣内を酸性に保って悪玉菌の増殖を抑え込んでくれます。膣内に細菌や真菌を存在させないことは無理だと考えられています。それならば、悪い菌が増殖しないように見張る必要があります。その役割がデーテルライン桿菌です。
おりものはデーテルライン桿菌が含まれているので、膣にとっては悪い菌を増殖させないため・膣を清潔に保つために必要な存在なのです。
おりものは、最初は体のどこから分泌されるのでしょうか。
おりものは、もともとは子宮内膜からから分泌されます。子宮内膜で分泌されたら、子宮頸管(しきゅうけいかん)を通る際に、また子宮頸管の分泌液と混じります。
子宮頸管からの分泌液は、粘り気のある状態です。この粘液が子宮から出て、膣の入口へ移動していくことから始まります。
子宮頸管から分泌された粘液は、子宮から卵管、そして膣にたどり着きます。その間に、それぞれの分泌液と混じっていきます。
最終的には膣の分泌液が白っぽい色をつけていると言われています。つまり、おりものは最初から白っぽい粘液ではありません。
だから卵管や膣を通り過ぎていく過程で、体調によっておりものの色や状態が変わるのです。
おりものは、子宮の動きと密接な関係にあります。そのため、子宮が活発に働いている年齢の時は、おりものも多くなります。老齢期にはいると、おりものはほとんど分泌されない人が多くなります。
子宮の働きが落ち着くと閉経が訪れます。同時に、おりものも減少する傾向にあります。ただ、おりものの量には個人差があるので、もともと少ない量の人は一生を通して、おりものの量が少なめだというケースもあります。