乳房全体のマッサージは、乳房内の筋肉を和らげて血行を促進します。血行を促進すると、新鮮な母乳が流れやすくなって詰まりを予防できます。
乳房に手を添えて、優しく力を入れずにマッサージします。最初は短時間で済ませて徐々に進めていきます。マッサージの開始は安定期以降が基本ですが、各自の体調によってマッサージを控える時期が異なります。
マッサージを始める前に、担当医に確認してください。無理に進めると、子宮が収縮してしまったり逆に体調を崩すことがあります。
乳房全体をほぐすマッサージは、手のひらをパーにして力を入れずに乳房に乗せます。指は軽く曲げて、手の腹は洗顔をする時のような自然な丸みを作ります。
ここでは左の乳房のマッサージ手順を説明します。右も向きが変わるだけで同じように行います。
右手の手のひらは乳房の下側に、もう左手の手のひらは乳房の上側の付け根部分に当てます。深呼吸をしながらリラックスします。
それぞれの指先の向いている方向に、90度移動しながらさすります。繰り返したら、そのまま今度はもう90度移動しながらさすります。これで右手が乳房の内側に、左手は乳房の外側(左脇付近)に移動します。
今度は、さっきと反対です。右手の手のひらを乳房の上に、左手の手のひらを乳房のしたに添えます。
指先の方向に、同じように90度移動を繰り返したら180度移動します。そうすると右手は左胸の側面に、左手は内側に添えていることになります。
2通りの方向へ手のひらを添えてさすることで、乳房全体がほぐれて温かくなります。
妊娠中の乳房の中には乳管や乳腺など、赤ちゃんの授乳に大切な組織があります。強くさすったり押さないようにリラックスしてください。
乳房の側面をマッサージして刺激することで、皮膚を鍛えて乳房のコリをほぐします。コリがほぐれると血行が良くなって乳房内の働きが活発化します。
ここでは左の乳房のマッサージ手順を説明します。右も、添える手を逆にして、同じ要領で行います。
右手を体の前から回して、左の乳房の側面に手のひらを添えます。左手を体の脇で肘を曲げて、左手首を曲げて手のひらを垂直にして、右手に添えます。
そのまま左胸の側面から右胸に向かって真横に圧迫します。押す力を緩めたり、圧迫したりをリズミカルに繰り返します。
強く圧迫し続けると気分が悪くなることがあります。力を込めずにマッサージしましょう。
乳房の下側は普段は乳房を支えているので、血流も停滞しがちです。下から持ち上げて、普段使わない筋肉をほぐしてあげます。
ここでは左の乳房のマッサージ手順を説明します。右も同じ要領で行います。
左の乳房の下側に、右手を手のひらが上に向くように水平に当てます。小指がママの体側です。
左手は右手の下に添えて支えるように置きます。右手は左手のひらにのる形で、乳房の下側のラインに沿って丸めます。
乳房に添わせている右手を左手の手のひらで上に押し上げます。右手の小指は、しっかり体につけたままにします。
左手のひらは水平に上へ乳房を押し上げ、右手のひらは左手のひらから乳房を守るように乳房と一体化して上に移動します。
乳房の真ん中程度まで持ち上げたら、また下に戻してを繰り返します。呼吸はリラックスします。
上げ下げは軽くリズムよく行います、力を込めないように気を付けてください。