
体内時計(たいないどけい)を狂わせがちな生活習慣と、体内時計を整えるコツをわかりやすく紹介します。体内時計とは、私たちの健康な体にもともと備わっている生体リズムを作り出す時計機能のことです。あなたの体内時計は合っていますか?
生体時計(せいたいどけい)とも呼ばれ、朝は目覚めて夜は眠くなるといった当然のような行動も、体内時計が判断しているものなのです。
現代の生活習慣や食生活には、体内時計を狂わしてしまうきっかけが沢山あります。自分の体内時計は、自分でちょっとずつ整えるのが1番です。当てはまる項目があったら簡単なことから調整してみましょう。
実際に、私たちの体の中の体内時計はどこにあるのでしょうか?体内時計は脳の中にあります。もっと細かく説明すると、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)に体内時計があると考えられています。
視交叉上核は、眼球の奥の方に位置するほんの1~2mmの組織です。目で確認した光は、視交叉上核を通って神経節から松果体(しょうかたい)という内分泌器に伝達されます。
松果体は8mmほどで、メラトニンを生産する場所です。メラトニンは、朝起きて夜眠るといった時間を判断して調節する働きを持っています。
例えば睡眠薬には、脳に「夜眠る時間ですよ」と伝える成分が入っています。ところが睡眠薬を利用して、脳に眠る時間を伝えることに慣れてしまうと、松果体は「じゃあ、ここで調節しなくても大丈夫なんだ」とメラトニンの生産量を減らしてしまいます。
自分でメラトニンを生産できないと、ずっと薬に頼らないと睡眠時間調節ができなくなってしまうのです。だから視交叉上核で見た光や暗さを伝えることは、メラトニン生成にとっても必要なことなのです。
不眠(ふみん)とは、なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くて短時間で目覚めてしまう睡眠障害です。不眠の原因は精神的ストレスや疲労など、人それぞれです。体内時計の乱れも不眠原因の1つです。
不眠になってしまうと、眠らないといけないと理解していても目がパッチリしてしまいます。起きていればじっとできずに、夜中に歩いたり何かをしてしまいます。すると、体内時計は「睡眠時間」ではなく「活動時間」だと判断してしまいます。
その結果、夜なのに体は夜だと理解できなくなってしまいます。眠れないからテレビをみたり本を読むのに、脳には「起きて行動している」と伝わってしまうと、やっかいです。
不眠が解消されないと自分の行動も変わらないことが多いので、体内時計も戻りにくいようです。眠れずに夜中もテレビを見たり、明るい部屋で過ごしている人は不眠を解消することから考えましょう。
妊娠後期は不眠が目立ちます。赤ちゃんがお腹を蹴ったり、お腹が張る時間帯に朝晩は関係ないし、夜中は足がつりやすくなるからです。症状が目立つと寝つけなかったり、明け方に目覚めてしまいます。
妊娠中に夜眠れないことは仕方のないことでもありますが、日中は無理をしないでください。また、産後も赤ちゃんのお世話で朝晩の区別がはちゃめちゃになりがちです。
だから産前産後で不眠が心配な時は「1日合計でどれだけ睡眠時間がとれたか」から始めましょう。無理に「夜は眠らないといけない、昼は眠っちゃいけない」と決めると結果的に睡眠時間が減って体調を崩しかねません。
不規則な食生活は、体内時計が狂う原因の1つです。食生活といっても、食事内容よりも食事時間に注目してください。
働く人は特に気を付けてください。ランチタイムが毎日決まっていれば、体内時計はその時間にお腹がすくように理解してくれます。
でも、接客や営業職で毎日のランチタイムも、どこで食べるかも決まっていない人は体内時計がずれやすいので注意してください。とはいっても仕事上、時間の定まらない昼食を簡単に改善できるかわかりません。
朝食や、帰宅後の夕飯では規則正しい食事時間を気にかけてみましょう。食事は朝・昼・晩の三食をメインにすること。食後もちょこちょこ食べていると、いつが食事時間なのか曖昧になってしまいます。
妊娠中のつわりでは、食事ができない妊婦さんや、常になにか食べていないと気分が悪くなる妊婦さんがいます。これは、体が変化していく過程での一時的な症状なので、完治させることは困難です。
もしも食べることができない時は水分補給する時間を決めたり、少しだけリズムをつけます。食べていないと気分が悪くなる時は、しっかり食べる時間と飴などで間食する時間を区別します。どちらも可能な範囲内で大丈夫です。
つわりは妊娠中だけなのであまり無理をしないで、自分の体を労わることを第一に考えてください。つわりが治まってから、体内時計を整えても遅くはありません。
仕事が不規則な人は、睡眠時間や食事の時間が変わりやすいので、いろんな原因が重なって結果的に体内時計が狂います。
不規則な仕事が原因になってしまう時は、仕事環境を変える(転職や退職も考える)ことが改善の近道ですが、そんな簡単に決められることではありません。
休日は疲れてぐっすり眠りたいところですが、起床時間には1度目覚めるように心掛けます。そのほうが体内時計は「いつも通り」と判断します。
そして起床時には窓から朝日が入るようにしてください。疲れている時はカーテンを閉めて、ゆっくり眠りたい気分にもなりますが、朝日を浴びることは体内時計にとって良いことなのです。
昼夜の環境変化が少ないと、体はダラダラしてしまいがちです。妊娠中で、家で過ごす時間が増えたら特に意識してください。
例えば妊娠中はお腹が張ったり、つわりで外出しない日もあります。ずっと室内にいても、照明や外からの光で昼夜の差を付けることを心掛けてください。
妊娠中、外出できない時はこんなことに気を付けましょう。
昼夜の環境変化は、部屋の明るさを変えたり日光を浴びるだけでも改善されます。仕事や睡眠時間よりも調節しやすいので。家庭でできることから気にかけてみましょう。