安産を目指す妊婦さんが沢山いますが、具体的に安産とはどんなお産のことを指すのでしょうか?「短時間のお産なら安産」、「痛みがなければ安産」など人それぞれの安産定義があります。
陣痛がはじまっても、すぐに赤ちゃんが産まれるとは限りません。同じ出産予定日でも、微弱な陣痛が長引いて丸1日苦しむ人もいれば、陣痛間隔がどんどん短くなって数時間で出産する人もいます。この場合、どちらが安産かと聞かれれば後者の、数時間で出産したタイプを指す人が多いものです。
でもこれは、あくまでも大人からみた見解です。赤ちゃんにとっては、どちらのタイプでも頑張っていることに変わりはありません。「痛みは短時間がいい」といった母体の都合だけではなく、赤ちゃんのペースでお産がすすむことが理想です。
妊婦検診で予定日が決まると、予定日にあわせて育児休業制度の利用や、仕事のひきつぎを考えます。必要な場合は里帰りなど出産の準備が、予定日を中心に進められます。ところが、予定日や希望日にお産が始まるとは限りません。多くの赤ちゃんは予定日とずれて生まれています。
予定日や希望日に生まれた赤ちゃんを「良い子」だと評価したり、安産だったと思うのは大人だけ。赤ちゃんにとって、大人たちの希望を押しつけられることはストレスなだけです。予定日はあくまでも、出産を意識する時期の目安と考えてみましょう。
お産は体力勝負です。多くの妊婦さんは、陣痛が始まってから一定時間ごとにおとずれる痛みに耐えて、分娩が始まるまでにも体力を消耗しています。のどが渇いたり、いつの間にかウトウトしてしまうほど疲れるのです。
疲れるほどに、お産が大変だと感じてしまいます。少しでもマイナス方向に考えないように、お産を乗り切るためにも妊娠中の体力作りを心がけてみましょう。
ウォーキングや栄養バランスのとれた食事は、お産当日の体力に繋がります。陣痛が始まってからも、進行がはやかったり痛みが強いと、空腹のままお産に挑むことになります。疲れを減少させるためには、妊娠中の栄養補給と運動も大切にしたいです。
病院の方針にもよりますが、母体へのサポートが至れり尽くせりの病院では助産師の親切さが嬉しいです。お産で疲れた体と心には、些細なサポートも助かります。もしも安産を考えたときに、サポート面で充実したいときは母体に対する指導方針もチェックしてください。
母乳が出るまで助けてほしい場合は、マッサージや母乳指導を続けてくれる産院や、アフターケアまで面倒見のよい医師のいる産院を探します。
ただ、親切こそが1番良いとも言いきれません。いずれは産院を退院して、自宅で赤ちゃんと2人きりで生活するママがほとんどです。その時のことを考えて、始めから必要最低限のサポートで背中を支えてくれる産院もあるのです。どちらを選ぶことが安産だと感じやすいかは、人それぞれです。
母体にも赤ちゃんにも、トラブルを抱えないお産を安産と考える人もいます。時間がかかったりイレギュラーな処置が加わると、ついつい「安産ではなかったのかも・・」と思いがちです。
気をつけてほしいのは、突発的な症状に母体がパニックに陥ることです。お産は精神的にも集中してほしいので、パニックになって集中出来ないと厄介です。そんなときは医師や助産師を信頼して、落ち着いて指示に従ってほしいです。そうすれば結果的に「安産だった」と思えるお産を目指すことができます。
妊婦検診や母親学級で、日頃から医師と助産師とコミュニケーションをとるように心がけてみてください。仲良くならなければいけないというわけではありませんが、知りたいことや話したいことをしっかり伝えることのできる関係を築いていきたいです。
お産の痛みといえば、表現することが困難です。痛みが嫌いだから無痛分娩に興味をもつ女性もいるほどです。
転んだり、皮膚をつねるような怪我とはまったく異なる陣痛(じんつう)に、妊娠中から不安を感じる人も多いものです。できることなら陣痛の痛みを感じずに、赤ちゃんを生みたいと考えてしまうこともしばしば。
実際は、多くの女性が陣痛を経験しています。陣痛の痛みは、母体へは痛みとして伝わりますが、赤ちゃんが頑張って産道を移動しているお知らせでもあります。
陣痛はママと赤ちゃんが、お産で協力し合っている過程でおこるもの、けっしてお産を邪魔しているものではありません。痛みではなく「もうすぐ赤ちゃんに会えるサイン」と前向きに考えてみましょう。
安産を目指すときに大切なことは沢山ありますが、何事も考えかた次第で変わっていくものだということを忘れないようにしたいです。
お産は痛くて苦しいものと考えてしまうと、痛みや苦しくなる場面ばかりを想像してしまいます。もしも安産を目指したいときは、痛みや苦しみのその先まで考えてみましょう。
好きな曲を聴いたり、お気に入りのクッションやタオルをそばに置いたり、自分流の心地良さを取り入れると気分が紛れることもあります。ママ自身が「安産だ」と思うことのできるお産に向けて、前向きな気持ちも忘れずに過ごしたいですね。
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